着物を着た後、みなさんはどうしていますか?「疲れたからとりあえずそのままにしておいた」「どうすればいいのかわからなくて、なんとなく放置してしまった」——実はそういう声、けっこう多いんです。でも着物は素材や加工によって扱い方がいろいろ違うので、適切なお手入れをしておくと長持ちします。今日は着物を脱いだ後に「まずこれだけやっておけば大丈夫」というポイントと、クリーニングへ相談した方がよいタイミングをまとめました。

🌸 急ぐ方はここだけ(要点まとめ)

着物を脱いだら①明るい場所で汚れ・シミをチェック、②直射日光を避けて陰干し(3時間〜半日)、③専用ブラシでほこりを払う——この3ステップが基本です。シミを見つけたら、なるべく早めに専門クリーニングへ相談するのがポイント。家庭での水・洗剤での処置は素材や汚れの種類によっては逆効果になることがあります。

着物を脱いだら、すぐ畳む前に確認したいこと

着物を脱いだあと、すぐに畳みたくなる気持ちはわかるのですが、実は畳む前に「汚れのチェック」をはさむのが大切なんです。なぜなら汚れやシミは早めに対処するほど、クリーニングでも落としやすくなることが多いから。時間がたつほど落としにくくなる汚れもあります。

チェックしたい場所は次のとおりです。

  • 衿元(えりもと):ファンデーションや皮脂が付きやすい
  • 袖口:食べ物や飲み物が触れやすい
  • 胸元:食べこぼし・飲みこぼしが落ちやすい
  • 裾(すそ):泥はねや歩いたときの汚れ

明るい場所で広げて、全体をざっと確認してみてください。汚れを見つけたら、場所と種類(食べこぼし・泥・など)をメモしておくと、クリーニング店に相談するときに伝えやすくなります。また、汗は目に見えないことが多いのですが、後になってシミや変色の原因になることがあります。夏場の着用や長時間の外出後は、汗の付きやすい部分も念頭に置いておくとよいでしょう。

自宅でできる基本のお手入れ

汚れチェックが終わったら、陰干しです。これが着物のお手入れの中でいちばん大切なステップ。直射日光を避けた場所に着物用ハンガーをかけて、3時間から半日ほど干しておきましょう。繊維に残った湿気や汗分を飛ばすことで、カビや虫害を防ぎやすくなります。

雨の日に着た場合は、湿気が多めにこもっているため、丸1日ほど干しておくのが目安です(雨の日の着物対策については別の記事でまとめています)。部屋が湿度の高い環境の場合は、換気や除湿にも気を配りましょう。

陰干しのあとは、和装専用のブラシ(豚毛・馬毛のやわらかいもの)で、衣紋(えもん)から肩・袖・身頃・裾の順にやさしくほこりを払います。このとき、前後に擦るのではなく、一方向に軽くなでるようにするのがコツ。洋服用のブラシは繊維を傷めることがあるので、正絹(しょうけん・絹素材)の着物には使わない方が無難です。素材によってブラシの適不適が異なるため、わからない場合は購入店や専門クリーニングへ確認してみるのがおすすめです。

ここまでできたら、湿気が取れているのを確認してから畳みます。保管方法については着物の保管方法の記事も参考にしてください。

家庭で無理に処置しない方がよいケース

着物はデリケートな素材(正絹・ちりめん・金箔・刺繍(ししゅう)など)が多く、洗濯表示も洋服と異なる場合があります。シミを見つけたとき、つい「自分でなんとかしなければ」と思いがちですが、むやみに水や洗剤を使うと逆効果になることがあります。

特に次のようなケースは、家庭での処置はやめておいた方が安全です。

  • 口紅・ファンデーション・墨汁・ボールペン:これらは専門クリーニングでないと落としにくい汚れです
  • 正絹・ちりめん・金箔・刺繍部分:摩擦や水分で風合いが変わる可能性があります
  • シミの原因がよくわからないとき:間違った処置で広がることがあります
  • 大きめのシミ(直径2〜3cm以上の目安):自力対処より早めに専門店へ持ち込む方が結果的に落ちやすいことが多いです

応急処置として許容されるのは、コーヒーや醤油など水性の汚れが付いた直後に、濡れたタオルで軽く押さえる程度です。こすってはいけません。バター・マヨネーズのような油性汚れは、乾いた布で優しくつまむだけにとどめ、そのあとはクリーニング店に相談するのがベターです。着物の素材や加工によって正しい対応が異なるため、洗濯表示を確認することと、不安があれば購入店や専門クリーニングへ確認することをおすすめします。

クリーニングへ相談する目安

「毎回クリーニングに出すの?」と思うかもしれませんが、着物の種類と着る頻度によって目安は変わります。一般的な目安として、次のように考えられることが多いようです(詳しい判断はお持ちの着物の素材や状態によって異なるため、専門クリーニングや呉服店に相談するのがおすすめです)。

  • 振袖・留袖などの礼装着物:着用のたびにクリーニングへ出すのが一般的な目安。長期間しまっておく前に汚れや汗分を取っておくことで、変色やカビを防ぎやすくなります
  • 普段着・小紋・紬(つむぎ)など頻繁に着るもの:1シーズンに1回、シーズン終わりに出すのが一般的な目安
  • 汚れ・シミを見つけたとき:シーズンの終わりを待たず、できるだけ早めに相談する

特に汗は見た目にわかりにくいため、夏場や屋外で長時間着用した場合は「汗抜き」について専門クリーニングに相談してみましょう。クリーニングの種類(丸洗いと洗い張りの違いなど)については着物クリーニングの基礎を解説した別の記事もあわせてどうぞ。

宅配着物クリーニングを選ぶときの確認項目

最近は、着物を自宅から送るだけで対応してくれる宅配クリーニングも増えてきました。店舗型のクリーニングと同様、選ぶときには次のような点を事前に確認しておくと安心です。

  • 対応品目と素材:どんな素材・加工(正絹・ちりめん・金箔・刺繍など)に対応しているか
  • 見積もり方式:発送前に料金が確定するのか、検品後に見積もりが届くのか
  • 梱包のルール:集荷バッグが提供されるのか、自分で梱包・発送する必要があるのか
  • 送料:往復の送料がいくらか、北海道・沖縄・離島など地域によって異なるか
  • 納期の目安:どのくらいかかるのか
  • キャンセルポリシー:クリーニング開始後のキャンセルに費用が発生するか

これらは料金・条件が変わることがあるため、依頼前に公式ページや問い合わせ窓口で最新情報を確認するのが確実です。

ハイクリアの着物クリーニングで確認できること

宅配クリーニング「ハイクリア」には、着物専用の商品ページがあります。以下は2026年7月時点で公式ページから確認できた情報です。料金・送料・納期は変更される可能性があるため、依頼前に必ず公式ページで最新情報をご確認ください。

  • 料金の決まり方:発送時点では金額が確定せず、検品後にお見積もりが届く方式です。注文時は「0円で確定」し、見積もり内容を確認してから決済できます
  • 梱包について:集荷バッグの提供はなく、依頼者側で梱包して発送する必要があります
  • 送料(参考):着物の往復送料は一律3,630円と案内されています。北海道・沖縄・一部離島は別途送料がかかります(最新は公式ページを確認)
  • 納期(参考):集荷後およそ5〜30日と案内されています(最新は公式ページを確認)
  • シミ抜き・ボタン付け・毛玉取り:無料サービスとして案内されています
  • キャンセル:クリーニング開始後のキャンセルには費用が発生するとの案内があります(詳細は公式ページを確認)

なお、浴衣・帯・長襦袢(ながじゅばん)・和装小物については着物専用ページでの対応可否を確認できていません。また保管サービスについても着物専用ページでの記載を確認していません。これらの品目を依頼したい場合は、事前に公式ページや問い合わせで確認されることをおすすめします。

まとめ

着物を着た後のお手入れ、まとめると次のとおりです。

  1. 明るい場所で汚れ・シミをチェック(衿元・袖口・胸元・裾)
  2. 直射日光を避けて陰干し(3時間〜半日、雨の日着用なら丸1日)
  3. 和装専用ブラシで一方向にほこりを払う
  4. 湿気が取れてから畳んで保管
  5. シミを見つけたらなるべく早めに専門クリーニングへ相談

家庭でできることは陰干しとほこり払いが中心です。「ちょっとだけならいいか」と思って水や洗剤を使いたくなる気持ちはわかるのですが、着物は素材や加工によって正しい対応が変わるので、迷ったときは専門クリーニングや購入したお店に一度聞いてみるのがおすすめです。着物を長く着続けるために、脱いだあとのひと手間を習慣にしてみてくださいね。