ひとくちに「古着の着物」といっても、そこには時代という、もうひとつのものさしがあります。「アンティーク着物」と「リサイクル着物」——この二つ、実は明確に呼び分けられているのをご存じでしょうか。

🌸 まずここを見る(お急ぎの方へ)

アンティーク着物は江戸末期から昭和初期、戦前に仕立てられたもの。リサイクル着物は戦後、昭和中期以降に仕立てられたもの。この一線が、二つを分けています。

時代という、もうひとつのものさし

アンティーク着物は、江戸末期から昭和初期にかけて——つまり戦前に仕立てられた着物を指します。いっぽうリサイクル着物は、戦後、昭和中期以降に仕立てられたもの。同じ「古着」でも、そこに流れた時間の長さがまったく違うのです。

図1 アンティーク着物とリサイクル着物の違い
観点 アンティーク着物 リサイクル着物
仕立てられた時代 江戸末期〜昭和初期(戦前) 昭和中期以降(戦後)
柄・色の傾向 大胆な色合わせ、アール・ヌーヴォーやアール・デコの影響、大正ロマン調 現代の着物と同様の色柄
素材 天然素材・化学染料未使用のものが多い 現代と同様の素材が中心
サイズ傾向 当時の体格に合わせ、身丈・裄丈が短めのことが多い 現代の体格に近いものが多い
状態 裏地の変色やシミなど、経年による劣化が見られることも 比較的状態のよいものが見つけやすい
🌸 ここだけ覚える。戦前ならアンティーク、戦後ならリサイクル。境目は「戦争」という、ひとつの時代の区切りにあります。

現代に近い色柄で状態のよいものが見つけやすいリサイクル着物は、初めての一枚や普段づかいに向きます。リサイクル・中古の着物を探すなら、京都きもの市場の楽天市場店も選択肢になります。

大正ロマンという、ひとつの物語

アンティーク着物の魅力は、なんといってもその大胆さ。現代の着物にはない色の組み合わせや、洋風の意匠が入り混じった柄には、大正から昭和初期という、ちょうど西洋の文化が流れ込んできた時代の空気が映り込んでいます。一枚の柄に、その時代の物語が織り込まれているというわけです。

楽しむときに、知っておきたいこと

アンティーク着物は当時の体格に合わせて仕立てられているため、現代の標準的な体格には身丈(みたけ)や裄丈(ゆきたけ)が短いことがあります。試着や採寸をていねいに行うのが安心です。また、経年による生地の劣化やシミも見られることがあるので、状態の確認も忘れずに。サイズやシミの見分け方はこちらの記事でも整理しています。

よくある質問

Q. アンティーク着物とリサイクル着物、初心者はどちらから始めるとよいですか?

A. サイズが合いやすく、現代の着物と組み合わせやすいという点では、リサイクル着物のほうが扱いやすいかもしれません。柄の個性を楽しみたい方は、アンティーク着物も良い出会いになるでしょう。

Q. アンティーク着物は普段使いできますか?

A. 状態や柄によりますが、おしゃれ着として楽しまれている方は多くいらっしゃいます。生地の状態はよく確認してからお選びください。

Q. どちらも同じお店で扱っていますか?

A. 両方を扱うお店も多くあります。年代を絞って探したいときは、店員さんに「戦前のものか、戦後のものか」を聞いてみると、案内がスムーズです。

まとめ

  • アンティーク着物は江戸末期〜昭和初期(戦前)に仕立てられたもの
  • リサイクル着物は昭和中期以降(戦後)に仕立てられたもの
  • アンティークは大胆な色柄、リサイクルは現代に近い色柄が特徴
  • アンティークはサイズが小さめなことが多く、試着での確認が安心

知れば知るほど、一枚の着物に流れた時間の長さが見えてきます。今日の一枚に、小さな物語を添えてみてはいかがでしょうか。

手持ちの着物を手放すことを考えている方は、着物の買取方法と選び方もあわせてどうぞ。