七五三の朝、子どもの足袋を履かせようとしたら「痛い、やだ」と泣かれてしまった——そんな経験、ありませんか。かといって観劇にお出かけする日に、礼装と同じ白足袋をきっちり履くべきなのかも迷うところですよね。足袋カバーと足袋ソックス、名前は似ているけれど中身はけっこう違うんです。この記事では、七五三で着物を着るお子さんとその付き添いの方、そして観劇で着物を楽しみたい方に向けて、どちらを選べばいいのか場面別にお伝えしていきます。
足袋カバーと足袋ソックス、まずは作りの違いを知ろう
似たような名前のふたつですが、作りの違いを知ると選び方がぐっと分かりやすくなります。足袋には本来、こはぜという金具がついていて、これをパチンと留めて履くのが正式な足袋です。
足袋カバーは、その白足袋の上から履いて汚れや寒さから守るためのアイテムで、こはぜ付きのタイプと、こはぜのない伸縮素材のストレッチタイプの2種類があります。サイズは足袋と同じで大丈夫なので、迷ったらいつもの足袋サイズを選んでおけば安心です。足袋のサイズ選びについては足袋のサイズと選び方の記事も参考にしてみてください。
一方の足袋ソックスは、足袋のように足先が二つに割れた形の靴下で、それ単体で履くものです。外出に使える厚手のタイプと、湯上り用の薄手タイプがあり、こちらは基本的にこはぜがついていません。大事なポイントは、こはぜの有無にかかわらずストレッチ素材のものは礼装には使えないということなんです。見た目が白足袋に似ていても、冠婚葬祭のような場では本来の白足袋を履くのが基本と覚えておきましょう。
七五三と観劇、場面によって答えは変わります
作りの違いが分かったところで、次は「じゃあ自分の場面ではどっちなの」というところですよね。七五三と観劇では、実は求められるものがまったく違うんです。
七五三で着物を着る子どもの場合
七五三では白い足袋を合わせることが多いものの、厳密なルールがあるわけではなく、色柄付きのものや5本指ソックスを使う家庭もあります。むしろいろは的に注目してほしいのは子どもの足の負担を減らすことなんです。
素足で草履を履くと痛みを感じやすいお子さんには、ソックスタイプの足袋やストレッチの効いた足袋がおすすめです。締め付け感が少なく、着脱もしやすいので、足袋に慣れていない子でも扱いやすいんですよね。口ゴム式でかかとに滑り止めがついた足袋ソックスは、七五三やひな祭り、入学式向けに作られているので、お祝い行事にはちょうどいいアイテムです。洗濯機で洗えるのも、汚しがちな小さなお子さんには助かるポイントですね。履き慣れない草履への備えは履き慣れない草履で転ばないための練習方法も合わせて見ておくと安心です。
七五三に付き添うママ・パパの場合
一方で、訪問着や色無地で付き添うママ、羽織袴のパパは準礼装にあたります。この場合は白足袋が基本で、足袋や草履までしっかりと揃えるのがマナーとされているんです。寒い季節なら、白足袋の上から足袋カバーを重ねて防寒するのは問題ありません。足袋カバーは汚れ防止だけでなく防寒アイテムとしても役立つので、寒い時期の七五三にはぴったりです。ただしこはぜ付きの足袋カバーであっても、それ自体を礼装の足袋として代用することはできない点は押さえておいてください。あくまで白足袋の上に重ねる防寒・汚れ防止の一枚、という位置づけです。
観劇で着物を楽しむ場合
歌舞伎観劇には特別なドレスコードはなく、ほとんどの方は普段のカジュアルな服装で楽しんでいます。着物で出かけること自体はまったく問題なく、むしろ観劇の雰囲気を盛り上げてくれますよね。小紋など普段着の着物で出かけるなら、こはぜのない足袋ソックスで気軽に楽しんでしまって大丈夫です。足袋に慣れていない方でも、靴下感覚で履けるのは観劇のようなお出かけにはうれしいところ。ただし色柄付きの足袋ソックスは木綿やウールの普段着着物には合いますが、訪問着のような格のある着物に合わせるなら白足袋を選ぶのが落ち着いた印象になります。
防寒性とお手入れのしやすさも選ぶ決め手に
ここまでの場面別の話を踏まえると、「礼装かどうか」が最初の分かれ道で、そのうえで防寒性とお手入れのしやすさが決め手になることが見えてきます。足袋カバーはストレッチ素材でぎゅっとフィットするぶん、寒い季節の防寒には頼りになる存在です。冬の足袋の寒さ対策については冬の足袋、ネルの裏地は寒さ対策になる?の記事でも触れているので、冷えが気になる方はのぞいてみてください。
お手入れの面では、足袋ソックスは洗濯機で洗えるものが多く、お子さんの汚れがちな足元にはありがたい存在です。足袋カバーも化繊のストレッチ素材なので自宅で手洗いしやすく、どちらも正絹の白足袋のように神経質になる必要がないのは嬉しいところですよね。
雨の日や動きの多い場面では注意を
ひとつだけ、覚えておいてほしい注意点があります。足袋カバーも足袋ソックスも、素材が伸縮する化繊であるぶん、雨の日は底が滑りやすくなることがあるんです。七五三のお参りや観劇でお子さんが石段を歩く場面、濡れた床を歩く場面では、足元が不安定にならないよう気をつけてあげてください。
七五三の着物を探すなら、商品ページで素材やサイズ、仕様の説明を確かめてから選びましょう。記事で整理したポイントに照らすと、自分に合うものを見つけやすくなります。
まとめ
足袋カバーと足袋ソックス、名前は似ていても「足袋の上から重ねるもの」か「単体で履く靴下」かという作りの違いがありました。七五三の主役であるお子さんには歩きやすさを優先したストレッチの足袋ソックス、付き添うママ・パパの礼装には白足袋に足袋カバーを重ねる組み合わせ、観劇など普段着で楽しむお出かけには足袋ソックスでじゅうぶん——こう整理しておくと、当日の支度でもう迷わずにすみますよ。保存しておくと安心です。
