七五三の写真を見返すと、着物より先に目が行くのが足元だったりします。慣れない鼻緒に指を挟まれて半べそをかいている子、片足だけ草履を脱いでしまっている子――そんな姿に、ふっと笑ってしまった経験のある親御さんも多いのではないでしょうか。本番までに何かできることはないのか、とお探しでいらっしゃる七五三のお子さまの保護者の方に向けて、草履で転ばないための練習方法を順番にご案内します。
結論から申し上げますと、草履の練習は「早めに始めて、短時間から少しずつ延ばす」のが基本です。あわせて鼻緒とサイズの調整、当日のちょっとした工夫を組み合わせれば、転びやすさはかなり抑えられます。ご安心ください、どれも特別な道具がなくてもできることばかりです。
練習を始める目安の時期
草履は普段履いている靴とは重心のかけ方がまったく違う履物です。鼻緒を指で挟んで台を支える構造のため、慣れるまでにはどうしても時間がかかります。遅くとも七五三の数日前から、できれば2週間前くらいから少しずつ練習を始めておくと安心です。直前になって初めて袋から出す、というのは避けたいところです。
お子さまによって慣れるスピードはまちまちですので、お立場によって変わりますが、早めに始めておいて損はありません。
自宅でできる慣らし方
では、具体的にどう練習すればいいのか。順番に確認してまいりましょう。
- まずは5分程度、室内で履かせてみる。いきなり長時間は負担が大きいので、短い時間から始めます。
- 嫌がらずに歩けるようであれば、徐々に時間を延ばしていきます。テレビを見ている間や、おやつの時間に履かせておくだけでも立派な練習になります。
- 床だけでなく、玄関のたたきや庭など、滑りやすい場所・段差のある場所でも少し歩かせておくと、当日の境内や会場でのつまずきを減らせます。
- 鼻緒の感触そのものを嫌がるお子さまも少なくありません。構造が似ているビーチサンダルを普段から履き慣れておくと、本番で意外とすんなり受け入れてくれることがあります。
- 草履や着物姿を事前に写真や実物で見せておき、「お祝いの日はこれを履くんだよ」と心の準備をさせておくのも効果的です。
3歳・5歳のお子さまは、7歳の子に比べて草履で過ごせる時間が短いことが多いとされています。長時間ぶっ通しで歩かせる練習よりも、短い時間を何度も繰り返すほうが向いています。
足袋や靴下での下準備
練習と並行して、履物そのものの調整もしておきたいところです。新品の草履は鼻緒が硬く、足が痛くなる原因になりやすいので、履く前に鼻緒を手でしばらくもんでほぐしておくと、靴擦れの防止につながります。
サイズ選びも重要な判断軸です。きっちりしたサイズよりも、かかとがしっかり台に乗る程度のやや大きめを選ぶと、鼻緒がゆるみ、指への圧迫が和らぎます。太めで柔らかい鼻緒のものを選ぶのも、足への負担を減らす工夫のひとつです。3歳のお子さまの場合は、フォーマル度の高い高さのある草履より、低めで安定感のあるものを選ぶと安心です。
練習のときは足袋や靴下を履いたままで構いません。素足より滑りにくく、鼻緒の当たりもやわらぎます。本番の足袋での履き心地にも早いうちから慣れておけます。冬の足袋、ネルの裏地は寒さ対策になる?も、季節によっては参考になります。
当日の歩き方の声かけ
練習をしっかり重ねても、本番は衣装も違えば場所も違います。当日だからこそできる工夫もあわせてなさってください。
- 神社までの移動や待ち時間は、履き慣れたスニーカーで過ごし、写真撮影や参拝の瞬間だけ草履に履き替える方法が広く使われています。草履を履く時間そのものを短くしてしまう発想です。
- 歩くときは「お人形さんみたいに、すり足で歩いてみようね」「かかとからじゃなくて、つま先からそっと置いてみよう」といった具体的な声かけが効果的です。小さなお子さまには、抽象的な注意より動きのイメージが伝わる言葉のほうが届きます。
- 段差や石畳など、歩きにくい場所に差しかかったら、事前に「ここは段々があるよ、ゆっくり行こう」と予告してあげると、急な動きによる転倒を防げます。
それでも途中で「痛い」「嫌だ」と言い出すことはあります。そのときの対処法や草履風シューズという選択肢については、七五三で「草履が痛い」と言われたら。3歳が歩ける準備と草履風シューズの選び方で詳しくご案内していますので、あわせてご確認ください。
七五三の着物と草履を探すなら、商品ページで素材やサイズ、使い方の説明を確かめてから選びましょう。記事で整理した違いに照らすと、自分に合うほうを見つけやすくなります。
まとめ
順番に申し上げてきましたが、大切なポイントは三つです。早めに練習を始めること、短時間から少しずつ時間を延ばすこと、そしてサイズと鼻緒を事前に調整しておくこと。この三つを押さえておけば、当日転んでしまう不安はぐっと小さくなります。当日は移動をスニーカーに任せ、草履は撮影と参拝の瞬間だけと割り切ってしまうのも賢いやり方です。
……と、ここまで手順をお伝えしてまいりましたが、いちばん大切なのは、お子さまが当日を笑顔で迎えることです。少しくらいよたよたしても、それもまた成長の記録のひとつ。草履選びに迷ったときは礼装用とカジュアル用で違う 草履・バッグの選び方も参考に、お子さまの足に合う一足を見つけてあげてください。素敵な一日になりますように。
