着物のお出かけから帰って足袋を脱いだら、なんだかつま先がグレーっぽい……。そんな経験、ありませんか。実はこの白足袋、脱いだ直後の数分でその後の白さがかなり変わってくるんです。洗うタイミングと干し方さえ押さえておけば、白足袋は思っているより長く白いまま付き合えます。今日はその手順を、迷いやすいポイントごとに整理していきますね。
脱いだらすぐにしておきたいこと
足袋の汚れは、つま先と底の部分にいちばん出ます。歩いているうちについた土ぼこりや、素足からの汗が染み込んでいるので、脱いだらできるだけ早く洗いに取りかかるのがおすすめです。時間が経つほど汚れが繊維の奥に入り込んでしまうので、その日のうちに、が理想なんです。
洗う前に見ておきたいのが素材です。白足袋の多くは綿でできていて、平織りの「キャラコ」(吸水性がよく薄手でしなやか、光沢を抑えた織り目が上品でフォーマル向き)と、綾織の「ブロード」(柔らかく伸縮性があってシワになりにくい)の2種類があります。ほかに絹混紡や化繊のストレッチ足袋もあり、素材によって縮み方やアイロンの温度が変わってくるので、洗濯表示の確認は省かないほうが安心です。
手洗いの手順 中性洗剤・押し洗い・つま先の部分洗い
基本は手洗いです。洗濯機を使うと型崩れや縮みの原因になりやすいので、白足袋は手洗いのほうが安心して長く使えます。おしゃれ着用の中性洗剤をぬるま湯に溶かし、つま先や底の汚れが気になる部分は指の腹で軽くこすりながら押し洗いしていきます。ごしごしこすらず、ぎゅっと押しては離す、を繰り返すイメージです。すすぎまで済んだら、次は干し方に進みましょう。
洗濯機で洗う場合の注意 ネット・こはぜを留める・弱水流
忙しくてどうしても洗濯機に頼りたいときは、いくつか注意点があります。まず足袋についているこはぜ(かかとの金具部分)は、留めた状態で洗濯ネットに入れること。こはぜが洗濯槽や他の衣類を傷つけてしまうことがあるためです。コースは手洗いやドライ対応の弱水流を選び、脱水機の使用は避けてください。脱水は縮みと型崩れの原因になってしまいます。素材によっては型崩れ防止のワイヤー入りネットを使うのもひとつの方法です。足袋のサイズと素材の選び方も合わせて知っておくと、洗った後のサイズ感の変化にも気づきやすくなりますよ。
干し方と仕上げ 形を整えて陰干し、アイロンをかけるなら
洗い上がった足袋は、まずタオルで水分をしっかり取ります。ここで湿っているうちに底の生地を左右にぎゅっと引っ張ってシワを伸ばしておくのが、仕上がりを左右する一番のポイントです。乾いてからでは伸ばしにくいので、濡れているタイミングを逃さないようにしてください。
干すときは、こはぜを留める糸の部分を洗濯ばさみでつまんで陰干しにします。天日干しにすると直射日光が原因でかえってくすみが出てしまうので、風通しのよい日陰を選びましょう。乾燥機も縮みと型崩れの原因になるので使いません。
アイロンをかけるなら、綿100%の白足袋は高温で手早く。絹混紡はデリケートなのでしっかり引っ張りながら、化繊は素材によってはアイロン不要な場合もあるので、こちらも表示を見てから判断してください。
黄ばみ・黒ずみが落ちないとき
丁寧に洗っているつもりでも、白足袋はどうしても黄ばんでくることがあります。これは汗などのタンパク質汚れが時間をかけて酸化することで起こる変色で、洗剤だけでは落ちにくいシミなんです。くすみ程度なら酸素系漂白剤入りのぬるま湯に30分から1時間ほど浸けてからすすぎ、中性洗剤で手洗いすると白さが戻りやすくなります。ただし洗濯表示は必ず確認してから試してください。
一方で、時間が経ってしまったシミや色の濃いシミ、カビによる変色は家庭では落としきれないこともあります。無理に漂白を繰り返すと生地が傷んだり型崩れしたりするので、そういうときは専門店に相談するのが安心です。着物や足袋の洗い方全般が気になる方は、着物クリーニングの基礎も参考にしてみてください。
まとめ 白足袋は「早く・やさしく・平らに」
白足袋のお手入れは、結局のところ三つの合言葉に集約されます。脱いだら早く洗う、こすらずやさしく押し洗いする、そして濡れているうちに生地を伸ばして平らに整えてから陰干しする。この順番さえ守れば、白足袋は思った以上に付き合いの長い相棒になってくれます。次にお出かけした日は、帰宅してすぐの数分を、足袋のために使ってあげてくださいね。
