「衿?衽?身八つ口?」——着物の説明を聞いていると、聞き慣れない言葉がたくさん出てきますよね。実はこれ、洋服にはない着物ならではの部位が多いだけで、覚えてしまえばそんなに難しくありません。この記事は、迷ったときにいつでも開ける「部位名称の辞典」として使ってください。

🌸 まずここを見る(急いでいる方へ)

着物は大きく分けて衿・袖・身頃・おくみ・裾の5つのパーツでできています。まずはこの5つだけ覚えれば、お店や着付けの会話についていけます。

着物を上から見ていきましょう

① 衿(えり)
首まわりを囲んで、前胸元で交差する部分
② 袖(そで)
腕を通す部分。肩山・袖口・振りなど細かい名称があります
③ 身頃(みごろ)
体をおおう中央の部分。前身頃と後身頃に分かれます
④ おくみ(衽)
前身頃に縫いつける、細長い布。打ち合わせを調整します
⑤ 裾(すそ)
腰から下全体、または着物のいちばん下の縁
図1 着物の5つの基本パーツ(当サイトの整理・編集部作成)
🌸 ここだけ覚える。「衿・袖・身頃・おくみ・裾」の5つが基本パーツ。この順番で上から覚えると、着付けの説明もすっと頭に入ります。

部位名称 早見辞典

ここからは、お店や着付けの会話でよく出てくる言葉を、グループ別にまとめました。気になる言葉があったら、このページに戻ってきてくださいね。

図2 着物の部位名称 早見辞典
読み方 意味・場所
衿・胸まわり
衿(えり) 首まわりを囲む部分
掛衿(かけえり) 衿の上に重ねてかける布
衿先(えりさき) 衿の下側の先端
剣先(けんさき) おくみの上の先端。衿と合わさる角の部分
肩・袖まわり
肩山(かたやま) 肩のいちばん高いところ。袖の折り目
肩幅・肩裄(かたはば・かたゆき) 肩まわりの幅・首の中心から袖口までの長さ
袖口(そでぐち) 手を通す、袖の開いている部分
振り(ふり) 袖の袖付けから下の、開いている部分
身頃まわり
前身頃・後身頃(まえみごろ・うしろみごろ) 体の前面・背面をおおう部分
身八つ口(みやつぐち) 脇の下の開いている部分(女性の着物に見られる)
身丈(みたけ) 着物全体の縦の長さ
背縫い(せぬい) 左右の後身頃を縫い合わせた、背中心の縫い目
おくみ・裾まわり
衽(おくみ) 前身頃に縫いつける細長い布
褄先(つまさき) 衿下と裾が出会う角の部分
裾(すそ) 腰から下全体、または着物のいちばん下の縁
仕立てにまつわる用語
胴裏(どううら) 着物の内側、上半身部分の裏地
八掛(はっかけ) 着物の裾まわりの裏地。表からちらりと見えることも

※用語の定義は着物の種類・仕立てによって多少の表現差があります



レンタルで借りるなら、商品ページで対象商品と利用日、セット内容、返却の条件を確かめてから申し込みましょう。記事で整理した条件に照らすと、必要な準備がはっきりします。


特によく聞く3つの言葉、もう少し詳しく

身八つ口ってどこ?

女性の着物の脇の下にある、開いている部分のことです。ここから風を通したり、腕を動かしやすくしたりする役割があります。男性の着物には基本的にありません。

振りって何?

袖の袖付け(身頃と縫い合わさる部分)から下の、開いているところです。振袖の「振り」は、まさにこの部分が長く仕立てられていることから来ています。

剣先はどこにあるの?

衿とおくみが合わさる、胸元の角の部分です。着付けのときに「剣先を合わせて」と言われたら、この角を目印にすると分かりやすくなります。

よくある質問

Q. すべての着物におくみがありますか?

A. 浴衣など一部の着物には、おくみのない「棒衿仕立て」などの作りもあります。基本の着物はおくみつきと考えて差し支えありません。

Q. 部位名称は男女で違いますか?

A. 身八つ口など、女性の着物特有の部位もあります。基本のパーツ(衿・袖・身頃・おくみ・裾)は共通です。

Q. 覚える順番のコツはありますか?

A. 図1のとおり、上から下へ「衿→袖→身頃→おくみ→裾」の順に覚えると整理しやすいです。困ったときはこのページに戻ってきてください。

まとめ

  • 着物の基本パーツは衿・袖・身頃・おくみ・裾の5つ
  • 細かい用語も、どのパーツの仲間かで覚えると整理しやすい
  • 身八つ口・振り・剣先は特によく聞く言葉。場所を覚えておくと着付けの会話がスムーズに

着物の種類や格から学び直したい方は着物の種類と格の早見表もどうぞ🌸 部位の名前を覚えたら、次は実際にそろえる番。着物を着るときに必要なもの一覧|初心者向け準備チェックリストもあわせてご覧ください。