「7歳のお祝いのとき、3歳のときの着物ってそのまま着せられないのかな」——七五三の準備を始めた方から、実はこの質問、けっこうよく聞くんです。答えを先に言ってしまうと、3歳と7歳では着物の仕立てそのものが違うので、多くの場合そのままは着られません。でも、だからこそ「じゃあレンタルと購入、どっちがうちに合うんだろう」という判断がしやすくなります。今日はそのあたりを、順番に整理していきますね。
七五三の着物、実は「同じもの」を3歳も7歳も着られるわけじゃない
3歳の七五三は、もともと『髪置きの儀』という行事が由来になっています。このころの子どもはまだ帯をきゅっと締めるのが難しいので、帯の代わりに被布——帯を締めず、腰紐や兵児帯で着付ける上着状の羽織物——を合わせる家庭が多いんです。地域によっては3歳でも大人と同じように帯で着付ける慣習もあるので、このあたりはお住まいの地域やご家庭のやり方を確認しておくと安心です。
一方、7歳は『帯解きの儀』といって、女の子が初めて大人と同じ帯を結ぶ節目にあたります。このとき着るのは大人と同じ作りの着物、つまり本裁ちと呼ばれる仕立てのもの。5歳の男の子は袴を着けるのが伝統的なスタイルです。つまり3歳の被布セットと7歳の本裁ちの着物は、そもそも構造からして別物なんですね。年齢ごとに何を用意すればいいかは、七五三 3歳・5歳・7歳それぞれの着物と準備リストにまとめているので、あわせて見てみてください。
レンタルと購入、値段はどのくらい違う?
ここだけの話、いちばん迷うポイントはやっぱり値段だと思います。レンタルの場合、フルセットでだいたい1万円から3万円が目安。呉服店の高級品やブランド品だと10万円を超えることもありますが、標準的な範囲はこのくらいです。年齢別に見ると、3歳児と5歳児は1万円〜2万円、7歳の女の子は2万円〜5万円というデータもあり、7歳は帯まわりの小物が増える分、少し高めになる傾向があります。
購入の場合はポリエステル素材か正絹かで差が大きく、ポリエステルなら3歳用フルセットが1万円前後、5歳の袴セットが1万5000円前後から、7歳用が2万円以上から。正絹だと3歳で2万円前後から、5歳の袴フルセットで5万円前後から、7歳で4万円前後以上が目安になります。全体としては1〜10万円台に収まることが多いようですが、正絹の高級品では30万円以上のものも存在します。「買ったら高くつく」と決めつける前に、素材と着用回数を並べて考えてみると、ぐっと選びやすくなりますよ。
3歳と7歳で着物を仕立て直して使い回せる?
ここで気になるのが、きょうだいでの使い回しですよね。実はこれ、答えは「性別が同じで、仕立ての工程を踏めば可能な場合がある」というのが正確なところです。3歳の着物は肩揚げ・腰揚げ・紐付け(場合により袖揚げ)が必須で、7歳の着物は肩揚げが必須、場合により腰揚げをするというように、年齢によって必要な工程が変わります。中には、大人用の付下げを3歳の着物として仕立て、7歳になっても着られるよう長めに仕立てておいて、揚げ(縫い上げて丈を調整する部分)でサイズを合わせる、という仕立て直しの例もあるんです。
ただし7歳は本裁ちの着物、3歳は被布という前提の違いがあるので、3歳用の被布セットをそのまま妹や弟の3歳に回すことはできても、同じ着物を7歳用に転用するのは難しいケースが多いと考えておくとよさそうです。姉妹で年が近く、同じ本裁ちの着物を7歳同士で回したいという場合は、仕立てを依頼する呉服店に相談してみるのが確実です。
お宮参りの産着を七五三に仕立て直すという選択肢
「お宮参りの祝い着、もったいないから使えないかな」と考える方も多いと思います。結論から言うと、産着はそのまま着せることはできませんが、仕立て直せば七五三の着物として使えます。必要なのは半衿付け・紐の付け替え・袖の綴じ直し・肩上げ(裄丈の調整)・腰上げ(身丈の調整)といった、まとめて「身上げ」と呼ばれる加工です。産着と七五三の着物は身丈・裄丈・袖丈・身幅のサイズだけでなく、袖の形状(四角袖か丸袖か)や縫い目の有無、着方まで違うので、この加工は欠かせません。
ただし7歳は本裁ちの着物を着るため、産着からのお直しはあまり向いていないとされています。3歳や5歳での活用を考えるほうが現実的でしょう。また仕立て直しは手縫いで手間がかかるため専門店に依頼するのが安心で、少なくとも1ヶ月、七五三シーズンは混み合うため余裕を持った依頼が推奨されています。一方で6ヶ月以上前に頼むと、その間に子どもが成長して着物が小さくなってしまう心配もあるので、依頼のタイミングはちょっとした綱渡りなんです。
保管とお手入れ、購入したら何が増える?
購入を選ぶと、着る前後の手間が確実に増えます。仕立て直しを前提にするなら依頼先とのやり取りが発生しますし、着た後は湿気を飛ばしてからしまう、といった保管の手間もついてきます。レンタルなら着用後にお店へ返すだけで済むので、このあたりは「誰が手間を引き受けるか」という現実的な話でもあります。次のお子さんやきょうだいでの再利用を考えているかどうかが、購入かレンタルかを分ける、わりと大きな分かれ目になりますよ。
レンタルが向いている家庭・購入が向いている家庭
ここまでの内容を踏まえると、判断の軸が見えてきます。1回きりの着用で十分、当日の身軽さを優先したいという家庭にはレンタルが向いています。相場も1万円台から選べるので、予算を抑えたい場合にも合わせやすいでしょう。
一方で、下にきょうだいがいて同性で年齢差が使い回しに合いそうな場合や、お宮参りの産着を活かしたいという思い入れがある場合は、購入や仕立て直しを検討する価値があります。値段の高さと「その後何回着られるか」は別の軸で考えるのがポイントです。もう少し広く、レンタルと購入の判断軸を整理したい方は着物はレンタルと購入どっちがいい?5つの質問でわかる自分に合う選び方も参考にしてみてください。
予約はいつから動けばいい?
最後に、意外と見落としがちな予約のタイミングについて。七五三のレンタル需要は7月から10月がピークで、特に9月から10月は予約が集中しやすいといわれています。早い家庭では春の4月から5月にはもう準備を始めているそうです。人気の最新衣装に関しては、レンタル開始直後の3月・4月に予約するのがおすすめとされています。理想的な予約タイミングの目安としては、七五三の約3ヶ月前から動き始めるとよさそうです。秋の本番シーズンに慌てないために、夏が終わる前に一度お店を覗いておくくらいの気持ちでいると、ちょうどいいペースだと思います。
レンタルが向いていると感じた方は、七五三向けのセット内容と価格帯から見てみるとよいでしょう。記事で整理した「3歳と7歳では仕立てが変わる」「保管の手間を抱えずに済む」という条件に当てはまります。
まとめ
冒頭の疑問に戻ると、3歳と7歳の着物は仕立てそのものが違うため、基本的にはそのまま使い回すことができません。ただし仕立て直しという手段を使えば、同性のきょうだいや、産着からの転用など、選択肢が広がる場面もあります。レンタルは身軽さと予算のコントロールがしやすく、購入は将来の使い回しや思い入れを大切にしたい家庭に向いています。「何回、誰が着る予定か」を家族で一度話してから決めると、レンタルか購入か、迷いがすっと軽くなるはずです。
