友人から「今度、歌舞伎座に行かない?」と誘われて、うれしいような、ちょっと困ったような気持ちになったことはありませんか。着物で行きたいけれど、手元にあるのは礼装用の一枚だけ。かといって観劇のためだけに一枚仕立てるのも、なんだか気が引けますよね。そんなとき、いろは的おすすめはまず借りて一日着てみるという方法です。買う前に試せるなら、失敗のしようがありませんよね。
小紋はどんな着物? 格と向いている場面
小紋は柄が着物全体に繰り返し入っている、普段着として着る着物です。振袖や留袖のような第一礼装とは、はっきり格が分かれています。観劇や、気の置けない友人との食事会、同窓会といった、あまり格式を気にしない場面にちょうどいい着物なんです。店によっては普段着からセミフォーマルまで幅があるとも案内されていて、選ぶ柄や帯合わせで表情を変えられるのも小紋のいいところ。場面ごとの着物選びについては、こちらの記事(観劇・食事会・お茶会の着物 場面別の考え方)も参考にしてみてください。
小紋の柄の世界には、江戸小紋のように格が上がる特別な種類もあります。まずは気軽な小紋から一日だけ試してみて、そのあとで柄の奥行きを知りたくなったら(江戸小紋とは?三役・五役の意味と格をやさしく解説)を覗いてみるのもおすすめです。
借りて試す一日の流れ 予約から返却まで
宅配レンタルの場合、利用の2日前に届くのが基本の流れです。前もって届くので、当日になって慌てることがないのは安心ですよね。届いた着物は自分で着付けをするか、当日着付けをお願いするかを事前に決めておきます。返却は同封の着払い伝票を使って、利用日か翌日中に発送するのが一般的なルールです。この「翌日中に出せばいい」という余裕が、レンタルの気楽さでもあります。
もう一つ、覚えておきたいのが試着だけの下見プランがあること。自宅で1泊2日だけ試着できるプラン(税込2,200円)と、帯や小物までひとそろい借りられる5泊6日のフルセットプラン、この2種類を用意している店もあります。柄や色が自分に似合うか一度確かめてから本番用を借りたい人には、下見プランがちょうどいいんです。ネットでのレンタルと実店舗での試着、それぞれの違いは(着物レンタルはネットと実店舗どっちがいい?)でも整理していますので、あわせてどうぞ。
借りるときに確かめておきたいこと
予約前に確かめておきたいのは、サイズと、帯や小物が含まれているかどうかです。フルセットなら帯・帯締め・帯揚げまで届くので当日困ることがありませんが、着物だけのプランだと自分で小物を揃える必要があります。ここを勘違いすると当日になって足りないものに気づく、なんてこともあるので、予約時にきちんと確認しておきましょう。
もう一つ大事なのが、汚してしまったときの扱いです。食事の席では特にお醤油や飲み物が心配ですよね。汚れがついても自分で水をつけたり洗ったりせず、そのまま返却するのが共通のルールです。何の汚れがついたかだけ伝えれば、あとは店側で対応してくれます。店によっては著しい破損や汚れに弁償金が生じる場合もあるので、これも予約時に規約を確認しておくと安心です。
小紋をレンタルで借りるなら、商品ページで対象商品と利用日、セット内容、返却の条件を確かめてから申し込みましょう。記事で整理した条件に照らすと、必要な準備がはっきりします。
一日着てみて、それから決める
実際に袖を通してみると、鏡の前で眺めるのとは違う発見があります。歩いたときの柄の見え方、帯を締めたときの体の楽さ、椅子に座ったときの裾さばき。こういうことは、写真を見ているだけでは分からないものです。一日着てみて「もっと着たいな」と思えたら購入を考えればいいし、「思っていたのと違ったな」と感じたなら、それも立派な収穫です。借りて確かめるという一歩は、遠回りのようでいちばん近道なんです。
